サキュバスの晩餐

sakyunの日記

書き方がうまいので

『使えない個性は、要らない個性。』 - シロクマの屑籠
納得させられそうになるなあ。ずいぶん殺伐した論理だから 結構反響はありそう。ささやかな安寧にねそべっている凡人の心を わざわざささくれ立たせる語り。シロクマ凶暴につき 一緒にコーヒーはつきあえそうもないや。

体の檻から逃れられない

わたしの病気はとても不思議な病気で、女性ホルモンによって 平滑筋という筋肉の細胞の異常増殖が促進させられるといわれている。
その細胞増殖が コラーゲンを分解する酵素を出して 肺を溶かして穴だらけにして 酸素をとりにくくし、増殖した筋肉が気管支を狭めて 文字通り息の根を止める。
女性ホルモンに依存する性質があるのだから 女性ホルモンの活動を抑えるか、男性ホルモンを投与する薬物を投与すればよいということになる。理論上は。
理論上は、というのは 実際その治療法で効果がでているのかどうか はっきりしない状況であること。効果が無い人も多いのである。

ホルモン抑制剤は飲み薬ではない。月に2.3回の注射であり、筋肉注射も含まれる。人工的に生理を止めるのである。つまり閉経を早めるのだ。
医師から提案されたとき、わたしは悩んだ。
やらないよりはできることはなんでもやるべきだろうか?
年を取って自然に閉経がくれば 病気の進行が止まる可能性はある。(進行して止まらない人もいる)だが、それまで 薬物治療を続けるとなると かなり長期間に及んで毎月筋肉注射で通院することになるだろう。(もちろん薬物を始めたら完全にこの先の人生は妊娠出産は不可能だ)
人づてに聞いた話では月3万くらいの医療費になるとか?年間36万?無理無理!仮に この先お金の心配が無い生活になったとしても やっぱりホルモン治療を受けたくない。
今のところ 酸素ボンベを携帯しなくてもやっていける程度に間に合う呼吸状態なので切実感が無いせいもある。また、更年期障害のしんどさみたいなのはそれはそれで大変なものらしいと見聞きしているので、できれば むりやり薬で老化をおしすすめたくはない。いまから治療を受けると、年を取って天然で更年期がくるまで 長期にわたり莫大な投薬をされ続けることになる。すでに肝臓も腫瘍で潰されて一部壊死している。どこかを薬で抑えたら別の所に無理が出るのではないかな?確実に効果がわかっているものでない限り むやみに成功率の少ない療法に飛びついてはいけないような気がして ためらっている。
なんでそこまで医療不信なんだ、頑固なのだ、緩慢な自殺じゃないかと それはまあ医者にはよく怒られている。自分の体が自分で無くなるのが怖い。生理なんかなくたっていいやと来るたびに苛立つし、今までだって女でいい思いなんかしなかったような気もするし、女でさえなければこんな病気でおびえずにすむのに!と、体の檻から出られないことに苛立っているのに、にいざ合鍵(=ホルモン療法)でそこから出してあげるよと言われると 尻込みしてしまう。
「いや まだ出たくないんです。この檻からでたら私はいままでの私でなくなっちゃうような気がする!うっとおしいけど 弱すぎて悔しいけど やっぱり女の体に入っている魂のまま暮らさせて!」そんな感じ。
でもね、なんで命がけで体張ってまで、女やっているんだろう?本当のところ、よくわかんないんだ。(言葉遊びのセクシュアリティ論で遊んでいる奴は糞)他の患者さん(といっても100万人に1人の発症率だから多くはないけど)が意地はって治療拒否する人の話は聞いた事ない。まねはお薦めしないよ。治せる可能性がある方法なら手を尽くして挑戦するというほうが 常識だと思う。たまたま わたしが常識はずれなのです。
 日々 好き勝手日記を書き散らしながら楽しくやっていれば 案外長く生きれるかもしれないな。そうしたら はてなで いつか 大好きなブロガーの爺とセットで婆と呼ばれる日が来るんじゃないかなあ。楽しみだなあ。入れ歯ポリデントした写真でもアップしたりw